内側のひっかかりの解決法「傾斜コア」

前回に引き続き、アンダーカット大好き!シモダです。
さてさて、次は「傾斜コア」についてです。
いきまーす!
前回紹介したスライドコアは、内側にあるアンダーカットには採用できません。
例えば、ひっかかりが製品裏のど真ん中などにある場合ですね。

ではどうするか…
製品を金型から取り外す(押し出す)動きにあわせて、金型の一部分を“斜めに動かして”アンダーカット部分を外します。


傾斜コアの難しい点

この構造は金型の表からみると非常にスッキリしていますが、
金型の内部には斜めに動くためのスペースが必要。だから、どんな製品でも使えるわけじゃないのです。
また、斜めに動く部品の加工精度がとても重要で、精度が悪いと量産中に金型が破損することもあるため組み立ての最終調整は本当に神経を使いますよ。
この破損の対策の1つとして、「斜めのロッドを太くすれば壊れにくい」という話が出るのですが、コレは根本の解決にはなっていないですし、我々としても加工の精度頼みな状況をなんとか回避したい…

…ということで、髙橋精機では20年以上も前から ㈱タカオ設計事務所さんの「ルズコン」という傾斜コアシステムを推奨させてもらっています。
ルズコンの強み

ルズコンは、傾斜コアを賢く、安全に、安定して動かす仕組みなんです。

コレにより、求められる加工精度が緩くなるだけでなく、メインのロッドにかかる負荷もほとんどないので、細いロッドで設定できます。
そうなれば傾斜コアブロック自体も小さくできるので、結果的に省スペース。
さらに、もし破損してしまっても補助のガイドロッドの破損で済む可能性が高いので、修理も短時間でできます。
こんなに嬉しいことはない…
まとめ

スライドコアも傾斜コアも、金型の中で部品を動かして成形品を取り出す方法です。
でも、どちらも精度とパーツのハマり具合(嵌合)が超重要。ミスると金型が壊れるリスクがあるから、設計者としては全力を尽くします!
ルズコンみたいなツールを使えば、もっと安定して作れるので、僕たちはこれからもルズコンをガンガン活用していくつもりです!
ということで、2回に渡り金型でのアンダーカット処理の説明をしてきました。
次回もよろしくね!